宇宙に恋して

こころの声を紡ぎながら、目に見えない世界を探求しています。

優しい風

とてもショックな出来事があって

気落ちした朝

 

いつもは車で出かけるのに

ハンドルを握る気力が出ず

バスを使った

 

いつもより早起きして

バス停まで歩きながら

心の綻びを綴って

友人に弱音を吐いた

 

返信されてきた

配慮あるひとつひとつの言葉に

慰められて癒された

 

夜勤明けで帰宅した夫が

自宅に置きっ放しになった車を見て

連絡をくれた

 

彼は私がどんな思いでいるのか

誰よりもわかっているから

ただひと言「迎えに行くよ」と

連絡をくれた

 

帰りもバスを使うつもりでいたけれど

配慮あるその申し出に

慰められて癒された

 

とても些細なことなのに

受け入れ難いこともある

 

友人も夫も

私の失敗に優しかった 

 

優しい風が私の頬を撫でたとき

自分を責めている私に気付く

 

出来事が

私を気落ちさせたのではない

 

その出来事を失敗だととらえた私が

私自身を執拗に責めていたのだ

 

失敗したっていい

 

人にはいつもそう言っている私が

誰よりも失敗を許せないことに気付く

 

私は誰かが「失敗」したとき

友人や夫のように

優しい風が吹く距離を保てるのか

 

執拗にその失敗を責めたり

良かれと思ってその失敗を

私が代わりにやり直してしまったり

相手の領域にずかずかと踏み込んで

正義の剣を振りかざしてはいないだろうか

 

いつもいつも

人の愛に学び人の愛に救われる

 

他者という鏡を通して

私は「私」を省みる

 

他者という鏡がなければ

私は「私」を

知る由もないということだ

 

優しい風の吹く距離で

慈悲の心で見守ること

信頼して委ねること

 

他者と繋がり

共生するというのは

こういうことなのかもしれないね

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