輪郭をなぞる
私の概念を
なぞるように確かめていたら
なんだかとても悲しい気分になった。
その輪郭を震わせるほどに
深い部分に隠れていた
私の「正義感」が泣いていたから。
相対の世界を生きることは
それだけでも修行になる。
受け入れ難いことも
許し難いことも
全て私から現れた幻想に過ぎない。
このところ立て続けに
他者に対して
がっかりする出来事があった。
そのときに芽生えた批判的な感情は
私の「正義感」が創り出したもの。
己を知ることを恐れて
私の「正義感」が創り出したもの。
本当に残念で仕方ないのは
他の誰でもない私自身だ。
それを知って
私の「正義感」が泣いていた。
他者は己を映す鏡だ。
カガミの「ガ(我)」を取れば
そこに残るのは「カミ(神)」の姿。
他者への批判的な気持ちがあがってきたら
恐れることなく己を見よ。
そんな声なき声に耳を傾けながら
概念の輪郭をなぞっていると
いつしかそれは私から解放され
輪郭を失って変容を遂げる。