みちびき
なんとなくそわそわして
浅い眠いと覚醒を繰り返していた夜、
未明に鳴り響いた緊急地震速報に
全身が緊張で総毛立つ。
幸いなことに
地震は少しの揺れで済んだけれど
身体の興奮がおさまらず
そのまま眠りにつくことなく朝を迎えた。
私は普段「眠れない」ということが
ほとんどないのだけれど
昨夜は特別。
予定よりかなり前倒しで
初詣に行くことになって
猛烈に緊張していたのだ。
三が日に
成田山新勝寺に行くなんて
人混みが苦手な私にとっては
自殺行為くらいに思っていたし
神社に関しては
忌明けはしているけれど喪中だし
せめて三が日は
参拝を避けようという思いもあったから
早起きして行くと決めたものの
本当に行って大丈夫なの？という
不安があった。
ただでさえ
そんな状況で就寝したのに
追い討ちをかけるような地震速報に
不安は募るばかり。
それでも予定通り
まだ夜が明ける前に家を出た。
前日は完全オフで
自宅でのんびり過ごしていた。
ランチを済ませ食器を洗ってると
「明日だぞ」と声がする。
耳を通さないあの独特な感じで
「明日だぞ」と声がする。
確かに聞こえたけれど
いったい何が明日なのか？
その後も
年末に撮り溜めた録画を見ながら
ぼーっとしていると
再び念をおすように
「明日だぞ」と声がする。
そこまでみちびきがあるのなら
これは行くしかないのかも…と
正直なところ確信は無かったが
急遽、初詣に行くことを決めた。
人気の初詣スポットということもあり
事前にいろいろ調べていたものの
道が混んでいたら、とか
駐車場に入れなかったら、とか
いろいろな不安が頭をよぎったが
最も渋滞する国道もがら空きで
駐車場も参道にある
いつも駐車しているところに
停めることができた。
みちびきに従うとき
何もかもがスムーズだ。
お護摩祈祷で
お不動さまのお札を頂戴し
おみくじを引いた後に
荼枳尼天さまの切り札も頂戴し
どの場所でも
行列にさほど並ぶこともなく
滞りなく参詣することができた。
過去の初詣を思い返しても
こんなにスムーズだったことは
なかったくらいに。
新勝寺の後は
地元の氏神様へ参拝。
神宮大麻をいただいて
これで我が家へお迎えする神様が
全て揃った。
氏神様のところでは大吉。
なるほど、なるほど、
そういうことなのか、と
今回のみちびきに深く感謝。
おみくじにはメッセージが満載。
心当たりのあることばかりで
当たるとかはずれるとか
そういうことではなく
ちゃんと己が何者かを教えてくれる。
両者に共通して言われたのは
「酒」に関する注意喚起。
これも、
心当たりがあるので…。
私がちゃんとわかっていて
こんな風に用意していたことを
神仏はご存知だったのか、と
思わず笑みがこぼれた。
信仰とは
他力を信じ、自力を尽くすこと。
神仏はどこか遠くにおわすのではなく
常に私の側に、
常に私の中にいてくださる。
その御加護を信じ
みちびきに従って
自力を尽くせば
とにかく大丈夫なのだ。
そんな確信を得た2020年の初詣。
