宇宙に恋して

こころの声を紡ぎながら、目に見えない世界を探求しています。

痛み

時折、古い傷が痛むことがあります。

 

半世紀近く生きていれば

身体も心も痛い目の1つや2つは

経験してくるものだなぁ…と。

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夏至を過ぎ

梅雨の晴れ間に見える陽射しも

強さを増してきました。

 

もうすぐ夏ですね。

 

暑さと湿度に弱い私は

この時期は心身共に調子を崩しがち。

 

それでも天候や季節の変化に

心や身体が影響を受けることで

自分も地球の一部であり

宇宙の一部なのだと

改めて実感が湧いてきます。

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この季節になると

かつて交通事故で傷めた

古い傷が痛みます。

 

怪我としては治癒していても

元の状態に「戻る」ということは

ないからでしょうね。

 

物理的な傷だけではなく

心理的な傷もしかり。

 

その傷が癒えることはあっても

それが無かったときと同じ状態には

二度と戻れないのでしょう。

 

それが「過去」として

私の中に既に「ある」以上、

無かったことにはできないのです。

 

「治癒」することはあっても

「無かったこと」にはできない。

 

古い傷の痛みを感じるたびに思います。

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今日までの人生で

どれだけの出逢いと別れを

繰り返してきたのでしょう。

 

もう二度と会うことのない人もいれば

会うことはできても

関係性が変化した人もいます。

 

忘れられない人もいれば

忘れてしまった人もいます。

 

一期一会とわかっていながら

私が「あなた」と認識している存在が

明日も明後日もこの先もずっと

そこに「いる」ものだと信じて疑わないのは

いったい何故なのでしょう。

 

私ですら

いっときたりとも同じではなく

どんどん変化しているというのに。

 

当たり前や永遠という幻想から

既に解放された関係だとしても

喪失感や不一致感から

心が痛みを感じてしまうのは

今は既にいるはずもないあなたが

私の中に確かに「いる」から。

 

私の中に「いる」既にいないあなたを思い

ありもしない痛みを

そこに「ある」と感じているのです。

 

心の痛みを感じるとき

私の中に「いる」既にいないあなたに

私はまだ何かを期待している。

 

過去の傷を無かったものとして

不都合だと感じている今を変えようと

既にいないあなたに期待しているから

その傷が痛みとなって教えているのです。

 

傷は「治癒」するものだけれど

「無かったこと」にはできないのだよ、と。

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過去への期待を手放せば

未来への不安も消えてゆきます。

 

古い傷の痛みが

実態として現れるのは

今をしっかり生きろというサイン。

 

無かったことには出来ないならば

受け入れて治癒へと向かうしかない。

 

父の命日から

身体の痛みを感じるたびに

そんなことを考えて過ごしています。