宇宙に恋して

こころの声を紡ぎながら、目に見えない世界を探求しています。

記録より記憶

退職した会社の後輩から

結婚披露宴にご招待いただきました。

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彼の真面目さが伝わる席次札の表記です。

 

ちなみに同じテーブルのメンバーは

全員「新郎会社先輩」ですし

隣の主賓席は全員「新郎会社上司」ですから

1人だけ「元先輩」って謎の人選です。

 

この「元先輩」って表記、

「招待しないとヤバイ人」な雰囲気だね!と

笑いの種となりました。

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懐かしい顔ぶれと再会し

とても楽しい時間を過ごしました。

お酒もかなりすすんだので

せっかくの記念写真が

いい感じに酔っ払いです(汗)

 

在籍した12年間は

いわゆる「バリバリ」の事務員でした。

同僚にも上司にも率直に意見を述べるので

後輩から見たら

相当厳しい印象だったのかもしれません(笑)

 

新郎の彼は

仕事が丁寧できちんとしていたので

他の部員がなかなか覚えられない仕事も

すんなりこなす大変優秀な若手社員でした。

 

そんな彼が中堅どころとなった頃に

業務の進め方や後輩指導について

意見を求めたことがありました。

 

ミスの少ない彼のことだから

ミスを減らす仕事の極意があるはずです。

 

そんな私の問いに対し

彼の口から思わぬ言葉が飛び出します。

 

「仕事を覚えたての頃、

    ミスをすると、

    早川さんにすごく怒られたので…」

 

マジで?!

えーっ!ショック!!

 

彼はとてもミスが少なかったので

他の部員のように叱り飛ばしたことは

ほとんど無かったはずなのに…。

 

不思議なことに

年中叱られている人に限って

叱られたとか怒られたとか感じていないのか

ミスが減らないんですよね(笑)

 

むしろ、ミスが少ない彼に対しては

厳しい言葉を投げかけることがないから

えこひいきしてるって言う部員もいたくらい

本当に怒ってないんですけどね!!

 

それでも、

その記憶が彼の仕事の基礎となり

多くの結果を残していったのだと思うと

感慨深いものがあります。

 

私個人が会社に残した業績など

ハチドリのひとしずくにも満たないものです。

 

一般事務職ですから

業務は二次的作業がほとんどで

表に名前の出る仕事などありませんから

記録として残っているものなど

ほぼ無いに等しいです。

 

しかし

一緒に働いた一人一人の記憶の中に

私の業績が残っているとしたら…。

 

私が記録を残すことができなくても

私が記録を更新し続けなくとも

私の記憶がいろいろなところで生かされて

様々な記録が残り、更新されていくと思えば

こんなに有り難いことはありません!!

 

こうなると、

めっちゃ他力の世界ですよね。

 

記録というのは

どこか墓標のようであるけれど

記憶というのは

そこに命を宿しているような気がします。

 

私の記録というのは

私個人の実績や情報であるから

いつかは更新されたり

風化したりするのですが

私という命の記憶は

私個人から離れることにより

大きく成長していくのだと思います。

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連綿と続く命のリレーを担う大切な記憶として。

 

これは私の命なのではなく

命が私を生きているのです。

 

私という幻想の先にある

命の尊さを感じた夜でした。