宇宙に恋して

こころの声を紡ぎながら、目に見えない世界を探求しています。

涙とソフトクリーム

母の闘病が続いています。

 

術後、3日が経過しましたが

肺の状態が思わしくなく

まだ人工呼吸器を外すことができません。

 

腎臓もうまく機能していなくて

人工透析もはじまりました。

 

人工呼吸器の挿管が苦しいので

今は鎮静剤で眠らされていますが

面会に行くと私の声に反応してしまい

苦痛に顔を歪ませながら

相槌をうったりするので

見るにたえません。

 

母というのは

こんな状態になっても

娘の声や存在を感じると

奮起してしまうのですね。

 

今日は面会時に

執刀医から現状の説明を受けました。

 

今は綱渡り状態で

気の抜けない状態であること、

 

医療チームは問題解決のために

あれこれ最善策を尽くしていて

まだしばらくはICUから出られないけれど

家に帰ってもらうために

慎重に取り組んでいるということ、

 

心臓の手術自体はうまくいっていて

1日単位でみれば

少しずつ上向きにはなっていること、

 

あまり興奮させると負荷がかかるから

面会は短時間しかできないけれど

たとえ短時間でも毎日顔を出して

声をかけて励ましてほしいということ、

 

そんな説明を受けました。

 

正直なところ

こんなに苦戦するとは

思っていなかったので

いろいろな感情が入り乱れてしまい

母のベッドの脇で何もできずに

メソメソと泣いてしまいました。

 

排尿できずに

すっかり浮腫んでしまった母の脚に触れ

少しの時間、靈氣を流すのが精一杯で…。

 

また明日来るね、と声をかけると

母は苦痛に顔を歪ませながらも

頷いてくれました。

 

もう、涙が止まりません。

 

覚悟はしていたはずなのに

母の苦しむ姿を目の当たりにすると

感情が高ぶり

涙が止めどなく溢れてしまって

どうすることもできませんでした。

 

帰り道は

夫の車の助手席で

言葉も出ない私を乗せて

彼も無言で車を走らせていました。

 

国道に出ると

自宅に帰るには左折をするのに

何故か車は右折をして

ショッピングモールの駐車場に入りました。

 

黙って車を降りた

私の手を引いて

夫は目指すお店へ向かいます。

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私の大好きな

ソフトクリームを

買ってくれました。

 

母がはじめての手術のとき

私は小学校4年生だったのですが

年齢制限でICUの面会には入れず

メソメソと泣いていました。

 

面会から戻ってきた父が

無言で私の手を引いて

病院の食堂に連れて行き

ソフトクリームを買ってくれたのを

思い出しました。

 

もちろん

そんな思い出を

夫に話したことはありません。

 

なんだか

父が来てくれたみたいな気がして

ますます泣けてきました。

 

たくさんの人に愛され、支えられ、

私も愛する母の闘病を支えています。

 

ちょっとしょっぱいソフトクリーム、

とても美味しかったです。